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甲冑の基礎知識

■兜の基礎知識

1.
 はち
2.シコロ・吹返
 しころ・ふきかえし
3.畳兜
 たたみかぶと
4.立物
 たてもの
5.付物
 つけもの

1.鉢(はち)

主に頭部を覆う部分を鉢と呼びます。鉢は上古以来様々な形式のものが作られてきました。鉢には腰巻・眉庇が付き、さらに革所・金物などで装飾が施されています。2003/12/03更新

(1)上古の鉢

この時代の冑は衝角付冑・眉庇付冑・蒙古形眉庇付冑が知られています。また『三代実録』には木鉢という語がみられ、木製の鉢の存在の裏付けとして注目されます。

1)衝角付冑(しょうかくつきかぶと)

鉢の正面に衝角と呼ばれる三角形状の突き出た部分がある冑を衝角付冑と呼びます。代表的遺物として東京国立博物館の蔵品があります。2003/12/14更新

2)眉庇付冑(まびさしつきかぶと)

ほぼ半球形の鉢の下部に、棚状に突き出た眉庇を付けた冑を眉庇付冑と呼びます。代表的遺物として東京国立博物館の蔵品があります。2003/12/14更新

3)蒙古形眉庇付冑(もうこなりまびさしつきかぶと)

半球形の鉢の上にさらにもう一つの小振りの鉢を乗せた形状を示す眉庇付冑を蒙古形眉庇付冑と呼びます。代表的遺物として奈良国立博物館の蔵品があります。2003/12/14更新

(2)中世の鉢

この時代の鉢は星鉢・筋鉢・一枚張筋伏星鉢と呼ばれるものがあります。また練革で作られた練鉢(代表的遺物として奈良県石上神宮の蔵品があります)も認められます。2003/12/14更新

1)星鉢(ほしばち)

鉢の矧ぎ合わせには鉄鋲を用います。鉢を天空に見立てて輝く鋲頭を星と呼びます。星があり威厳をもたせたのが星鉢です。代表的遺物として東京都御岳神社蔵(国宝)「赤糸威大鎧」の兜の鉢があります。2003/12/14更新

2)筋鉢(すじばち)

鋲留めに用いる穴を皿状に抜き、鉄鋲を押し当ててかしめ留め、頭を磨り潰して筋のみを強調したのが筋鉢です。代表的遺物として奈良県春日大社蔵(国宝)「黒韋威胴丸」の兜の鉢があります。2003/12/03更新

3)一枚張筋伏星鉢(いちまいばりすじぶせほしばち)

一枚の鉄板を半球形に打ち出し、数枚の鉄板を伏せて星鋲でかしめ、取り付けて作られた鉢です。遺物としては広島県厳島神社蔵(国宝)「小桜威大鎧」の兜の鉢があります。2003/12/03更新

(3)近世の鉢

1)近世の星鉢・筋鉢

近世の鉢は中世と同じく星鉢・筋鉢が主流です。明珍派・早乙女派・春田派・根尾派・馬面派などの甲冑師が多くの精巧な作品を残しています。2003/12/03更新

2)当世鉢(とうせいばち)

近世初頭には兜の普及を目的にトッパイ形・頭形・桃形という簡易型の鉢が大いに用いられました。

a.トッパイ形(とっぱいなり)

数枚から十数枚の梯形の鉄板で作られた丸みのある円錐形の鉢。代表的遺物として大分県柞原八幡宮蔵(重文)「金白檀塗浅葱糸威腹巻」に付く兜の鉢があります。2003/12/03更新

b.頭形(ずなり)

上板と両側面の三枚の鉄板で作られた鉢。頭の形に似ているところから名付けられました。代表的遺物として静岡県久能山東照宮蔵(重文)「金溜塗黒糸威二枚胴具足」に付く兜の鉢があります。2003/12/03更新

c.桃形(ももなり)

左右一枚もしくは二枚の鉄板で作られ、前正中から後正中にかけて鎬を立てて摘むように鋲で留めて作られた鉢。天辺が尖り桃の実の形に似ているところから名付けられました。代表的遺物として福岡県大宰府天満宮蔵(重文)「大水牛脇立桃形兜」があります。2003/12/03更新

3)変わり形鉢(かわりなりばち)

主に簡易型の鉢を土台にして革や和紙で誇張した様々な造形(鯰尾・烏帽子・唐人笠・頭巾など)を作りあげた変わり形の鉢があります。加藤清正の長烏帽子(愛知県徳川美術館蔵)・前田利家の鯰尾(東京都前田育徳会蔵)・黒田如水の合子(岩手県盛岡市教育委員会蔵)はその代表的遺物です。これらの兜を総称して形兜(なりかぶと)とも呼びます。2003/12/03更新

(4)腰巻・眉庇(こしまき・まびさし)

1)腰巻

兜鉢の下縁を帯状に巻いて鋲でかしめ留めた板を腰巻と呼ばれています。

2)眉庇

眉庇は金具廻りの一種で、額の保護を目的に腰巻前面に取り付けた庇の部分です。上代以来様々な形態の眉庇が考案されてきました。これらは伏眉庇・出眉庇・眉形眉庇・棚眉庇・天草眉庇・卸眉庇と呼ばれるものに分けられます。

a.伏眉庇(ふせまびさし)

中世の星兜・筋兜にみられ、鉢に対して水平に二股の足がある三光鋲で取り付けられたやや膨らみのある眉庇。代表的遺物として東京都御岳神社蔵(国宝)「赤糸威大鎧」の兜の眉庇があります。2003/12/03更新

b.出眉庇(でまびさし)

中世末以降の星兜・筋兜(一部の簡易型の鉢)にみられ、鉢に対してやや垂直に鉄の三光鋲でかしめ取り付けられた眉庇。代表的遺物として山形県上杉神社蔵(重文)「色々威腹巻」の兜の眉庇があります。2003/12/03更新

c.眉形眉庇(まゆなりまびさし)

中世末の簡易型の兜(一部の筋兜)にみられ、鉢に対して水平に鉄鋲で取り付け、眉の線に沿って切り込まれた眉庇。代表的遺物として岐阜県清水神社蔵(県文)「茶糸威胴丸」の兜の眉庇があります。2003/12/03更新

d.棚眉庇(たなまびさし)

上古・中世末以降の簡易型の兜にみられ、鉢に対してほぼ垂直に鉄鋲で取り付けられた眉庇。代表的遺物として奈良県談山神社蔵「十八間トッパイ形兜」の眉庇があります。2003/12/03更新

e.天草眉庇(あまくさまびさし)

中世末以降の簡易型の兜にみられ、大きなうねりのある棚眉庇。代表的遺物として大分県柞原八幡宮蔵(重文)「金白檀塗浅葱糸威腹巻」の兜の眉庇があります。2003/12/03更新

f.卸眉庇(おろしまびさし)

近世の簡易型の兜・星兜・筋兜にみられ、なだらかな反りを有した眉庇。代表的遺物として静岡県久能山東照宮蔵(重文)「金溜塗黒糸威二枚胴具足」の兜の眉庇があります。2003/12/03更新

i.眉庇の装飾と保護

基本的に眉庇は装飾と保護の目的から韋で包まれています。また同様の目的から中世末以降には漆で塗って仕上げるようになりました。

(5)鉢を飾る主な金物(甲冑の基礎知識の「金物」を参照)

1)八幡座(はちまんざ)

何重にも座を重ねて天辺の穴の周縁を飾る金物。

2)篠垂(しのだれ)

八幡座から垂れ下がる剣状の金物。

3)地板(じいた)

篠垂の下に敷かれた金物。各種の彫金を施したものもあります。

4)桧垣(ひがき)

鉢の裾の周縁を飾る八双に猪の目を透かした金物。

5)覆輪(ふくりん)

眉庇の周縁を覆う金物。桧垣から八幡座までの筋を覆う金物。

6)真向金物(まっこうかなもの)

眉庇の中央に打たれた菊重や各種の紋の金物。

7)後勝鐶(こうしょうかん)

総角・笠標を縛り付けるために鉢の後部に打たれた鐶。

(6)内張・浮張(うちばり・うけばり)

1)内張

平安・鎌倉期にみられる鉢の裏に直に張った韋を内張と呼ばれています。

2)浮張

討物の衝撃の緩和を目的に、鉢を頭から浮かせるための布帛や韋を浮張と呼ばれています。南北朝期以降にみられるようになります。

(7)忍の緒(しのびのお)

兜の装着に際して顎の下で締める緒を忍の緒と呼ばれています。中世初頭は響穴から取りましたが、後世になると三所付・四所付・五所付と呼ばれる手法によって取られています。

1)響穴(ひびきあな)

鉢の左右にあけられた小穴を響穴と呼びます。中世初頭の兜は響穴から忍の緒を取ったといわれています。その取り方については諸説様々な意見がありますが、確定できるものはありません。後世には響穴は形式化して四方にあけられるようになりました。2003/12/03更新

2)三所付(みどころづけ)

腰巻にある左右後と三ヶ所の根緒または力金で忍の緒を取る手法。

3)四所付(よどころづけ)

腰巻にある左右に二ヶ所ずつの根緒または力金で忍の緒を取る手法。

4)五所付(いつどころづけ)

腰巻にある左右に二ヶ所ずつと後の計五ヶ所の根緒または力金で忍の緒を取る手法。

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Last modified: 2007-01-02
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