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甲冑の基礎知識

■甲冑の形式と構造

上古(甲冑) 中世(甲冑) 近世(甲冑)
1.古代〜飛鳥時代
2.奈良時代〜 平安時代前期
3.平安時代中期〜鎌倉時代
4.南北朝時代〜室町時代
5.中世の袖と小具足
6.安土桃山時代〜江戸前期
7.江戸中期〜幕末
短甲・挂甲・綿甲冑 大鎧・胴丸・胴丸鎧
腹当・腹巻
当世具足

●中世(甲冑)

5.中世の袖と小具足

(1)中世の袖

中世の袖として大袖の用途については「2.中世甲冑」で説明しました。大袖は室町期に入ると権威を重んじる一部の上級武士の所持品となり、いわば形式的な要素が高くなります。かわって広袖・壷袖と呼ばれるものが多く用いられるようになりました。また胴丸に袖を用いない場合は、代用として杏葉と呼ばれる金具を用いました。2003/12/14更新

1)広袖(ひろそで)

ヒロ袖という語が『応仁記』に散見されます。これはやや湾曲した形状を示し、裾を広く作られた袖と考えられています。大袖に比べて軽量であることから、腕の運動に馴染み易く室町期には多く用いられました。遺物としては山形県上杉神社の蔵品が著名です。

2)壷袖(つぼそで)

壷袖という語が『大内義隆記』に散見されます。これはやや湾曲した形状を示し、裾が細く作られた袖と考えられています。広袖よりさらに軽量であることから、腕の運動に馴染み易く室町後期には多く用いられました。代表的遺物として埼玉県川越歴史博物館蔵「紅糸威中浅葱腹巻」に付く袖があります。2003/12/03更新

3)杏葉(ぎょうよう)

杏葉とは手のひら大の葉状の金具で、当初は袖の代用として胴丸の綿噛から肩先に垂らしました。袖を用いる場合はこれを胸前に垂らしました。代表的遺物として宮城県東北大学・島根県佐太神社・鹿児島県鶴嶺神社等の蔵品があります。2003/12/03更新

(2)中世の小具足

三者(兜・胴・袖)以外で甲冑に付属する部品を総称して小具足と呼びます。主に顔面を保護する面具と手足を保護する三具と呼ばれるものに分けられます。2003/12/03更新

1)面具(めんぐ)

中世の面具としては半首・半頬・目の下頬・総面と呼ばれるものが知られています。また咽元から首廻りを保護する小具足として喉輪・曲輪と呼ばれるものがあります。2003/12/03更新

a.半首(はつむり)

半首という語が『太平記』に散見されます。これは平安・鎌倉期に描かれた『伴大納言絵詞』・『平治物語絵詞』の絵巻に散見される額から両頬にかけてを覆う面具と考えられています。現在のところ遺物としての発見は確認されていません。故に形状・装着方・材質などの詳細については推定の域を脱し得ないのが現状です。多くは黒く塗り潰されていますが、中には何等かの模様のようなものが認められるものも描かれています。

b.半頬(はんぽう)

半頬という語が『太平記』に散見されます。これは両頬から顎にかけてを覆う面具と考えられ、江戸期の面頬当に比べると非常に大振りに作られています。両頬には長い緒便金(おだよりがね)があり、顎の下には太くて長い露落の管(つゆおとしのくだ)があります。須賀(垂 たれ)が付いたものもありますが、当初は喉輪・曲輪と併用した使用方であったと考えられています。遺物としては奈良県春日大社・岐阜県清水神社の蔵品が著名です。

c.目の下頬(めのしたぼう)

極稀に半頬に鼻が付いたものがあります。これを目の下頬と呼ばれ、文字通り目の下全体を覆うものです。

d.総面(そうめん)

総面とは目・鼻の穴・口の部分に明けて顔の全体を覆うものです。遺物としては山口県源久寺の蔵品が著名です。

e.喉輪(のどわ)

喉輪は喉元から首廻りにかけての保護を目的に用いられ、厚手の鉄板で作られた月形(つきがた)と呼ばれる三日月形の主要金具に蝙蝠付で二段の須賀を下げて作られています。遺物としては島根県日御碕神社の蔵品が著名です。

f.曲輪(ぐるわ)

曲輪は首筋から首廻りにかけての保護を目的に用いられ、喉巻(のどまき)と呼ばれる立襟状で蝶番で開閉する主要金具に蝙蝠付で二段の須賀を下げて作られています。遺物としては大分県柞原八幡宮の蔵品が著名です。

(3)三具(さんぐ)

主に手足を保護する籠手・佩楯・臑当を合わせて三具と呼ばれています。

1)籠手(こて)

籠手とは基本的に肩先から下腕部・手の甲までを保護するための小具足です。中世には鯰籠手・筒籠手・篠籠手・瓢籠手と呼ばれるものが用いられたと考えられています。

a.片籠手・諸籠手(かたこて・もろごて)

騎射戦が行なわれていた時代の籠手は片籠手と呼ばれ、射向にあたる左手のみに装着しました。討物が盛んに行なわれる時代(南北朝時代以後)になると両手に籠手を装着するようになります。これを片籠手に対して諸籠手と呼びます。2003/12/03更新

b.座盤(ざばん)

籠手の主要部分の板を座盤と呼びます。『平治物語絵詞』にみられるように当初は手甲(手の甲を保護する部分)・腕(下腕部)・肩(上腕部)が黒く塗り潰されています。次第にこれらを蝶番や鎖で連動したものへと変化したと考えられています。2003/12/03更新

c.鯰籠手(なまずごて)

鯰籠手とは平安・鎌倉期に流行した手甲の先端が丸く鯰の頭に似たものを呼びます。代表的遺物として奈良県春日大社蔵(国宝)「籠手一双」があります。2003/12/03更新

d.筒籠手(つつごて)

筒籠手とは鉄板や革板を筒状に作り、下腕部を包み込むように装着するものを呼びます。『蒙古襲来絵詞』に散見されますが、中世の遺物としての発見はありません。2003/12/03更新

e.篠籠手(しのごて)

篠籠手とは下腕部に数本の大篠(おおしの 篠竹状の細長い金具)を用いるものを呼びます。『蒙古襲来絵詞』に散見され、遺物としては兵庫県炬口八幡宮の蔵品が著名です。

f.瓢籠手(ふくべごて)

瓢籠手は小田籠手とも呼ばれています。文字通り瓢箪形の座盤を下腕部に用いるものです。遺物としては山口県防府天満宮の蔵品が著名です。

2)佩楯(はいだて)

佩楯とは基本的に大腿部を保護するための小具足です。前掛のように腰に緒を巻いて縛り付け、左右の大腿部に垂らして装着します。中世の佩楯は宝幢佩楯・伊予佩楯・鎖佩楯・威佩楯と呼ばれるものが知られています。

a.宝幢佩楯(ほうどうはいだて)

宝幢佩楯という語が『応仁乱消息』に散見されます。これは膝鎧(ひざよろい)とも呼ばれ、主に室町期に用いられました。袴仕立の家地に本小札で作られた上三段を下重ねにして大腿部に巻き付け、三分割した裾板を威し下げて作られています。代表的遺物として兵庫県太山寺・愛媛県大山祇神社の蔵品があります。2003/12/03更新

b.伊予佩楯(いよはいだて)

伊予佩楯とは細かい革の伊予札を糸や韋で綴って幅を広く作り、大腿部に巻き付けて装着するものを呼びます。代表的遺物として兵庫県太山寺の蔵品があります。2003/12/03更新

c.鎖佩楯(くさりはいだて)

鎖佩楯とは鎖の合間に小篠(こしの)・筏(いかだ)を散らしたものを呼びます。代表的遺物として奈良県春日大社・大阪府金剛寺の蔵品で菱筏(ひしいかだ)を散らしたものがあります。2003/12/03更新

d.威佩楯(おどしはいだて)

威佩楯は中世末にも用いられたといわれます。本小札を威し立てて作られたものを呼びます。

3)臑当(すねあて)

臑当は基本的に臑を保護するための小具足です。中世の臑当は筒臑当・篠臑当と呼ばれるものが用いられたと考えられ、その装着方法として千鳥掛・上下結式が知られています。2003/12/03更新

a.筒臑当(つつすねあて)

筒臑当とは鉄板や革板を筒状に作り、臑を包み込むように装着するものを呼びます。遺物としては岐阜県可成寺の蔵品が著名です。

b.篠臑当(しのすねあて)

篠臑当とは数本の大篠を用い、臑に巻き付けるように装着するものを呼びます。『二人武者絵』に散見されますが、中世の遺物としての発見はありません。2003/12/03更新

c.千鳥掛(ちどりがけ)

千鳥掛とは鎌倉期以前の臑当にみられる装着方法です。臑当の後側で緒を交互にかけ合い引き締めて装着します。2003/12/03更新

d.上下結式(じょうげゆいしき)

上下結式とは鎌倉期以降の臑当にみられる装着方法です。上の緒と下の緒を臑に巻き付けて装着します。2003/12/03更新

e.立挙(たてあげ)

筒臑当には立挙と呼ばれる膝を保護する部分が付くものがあります。中世の立挙は共立挙(ともたてあげ)とも呼ばれ、筒臑当と一続きに作られていました。特に大きなものを大立挙(おおたてあげ)と呼びます。代表的遺物として山口県防府天満宮の蔵品があります。2003/12/03更新

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