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甲冑の基礎知識

■甲冑の構成要素

1.小札 2.金具廻り 3.金物 4.革所 5.威毛

4.革所(かわどころ)

皮革を用いて作られた部分を革所(かわどころ)と呼びます。その材質や加工方法によって皮(主に毛皮)、革(主に牛の板目・馬のなめし)、韋(鹿のなめし)と書きますが、いずれも「かわ」と読みます。革所は地韋と小縁に別れます。

1.地韋の図柄

革所の主な部分を地韋(じがわ)と呼びます。地韋に型紙を当てて紺と紅の二色の染料を用いて染め付けます。各時代によって花菱の書韋・襷文韋・不動韋・藻獅子文韋・正平韋等の様々な模様があります。また一時期に茶染韋・鮫革・黒皺革が用いられました。

(1)花菱の書韋(はなびしのかきがわ)

紺、浅葱、赤に染め分けた花菱文を連続して描いた韋を花菱の書韋と呼びます。平安・鎌倉期にみられます。

(2)襷文韋(たすきもんがわ)

斜格子状に幾何学的な模様や牡丹、唐花、鷹の羽等を連続して交又させた中に花や獅子、龍、鳳凰等の盤絵文や?文を描いた韋を襷文韋と呼びます。平安・鎌倉期にみられます。

(3)不動韋(ふどうかわ)

火炎に不動明王を描いた韋を不動韋と呼びます。鎌倉後期に真言密教の影響から生じたといわれています。

(4)藻獅子文韋(もじしもんがわ)

水草の藻の中に唐獅子と牡丹を描いた韋を藻獅子文韋と呼びます。南北朝期以降にみられます。

(5)正平韋(しょうへいがわ)

図案の中に「正平六年六月一日」、「正平十三年六月一日」、「正平六年六月十八日」と細長く短冊状に描いた韋を正平韋と呼びます。室町期以降にみられ、御免革(ごめんかわ)とも呼びます。

(6)茶染韋(ちゃぞめがわ)

茶色一色で染め付けた藻獅子文韋や正平韋を茶染韋と呼びます。室町末期と江戸末期にみられます。

(7)鮫革(さめかわ)

赤エイの一種の比較的表皮の粒が大きな革を鮫革と呼びます。鮫革には他にも青鮫革と研出鮫があります。いずれも室町後期以降にみられます。

1)青鮫革(あおざめかわ)

表皮の粒の細かく青味のある鮫革を青鮫革と呼びます。インドのコロマンデル地方にあるサントメという地名からサントメ革ともと呼びます。この地方の港から渡来したといわれています。

2)研出鮫(とぎだしざめ)

鮫革に漆を塗り、砥石で研ぎ出して表面の凹凸をならし、無数の白い円形を浮き出した革を研出鮫と呼びます。

(8)黒皺革(くろしわかわ)

皺立てた馬革に黒漆を塗った革を黒皺革と呼びます。室町後期以降にみられます。

2.小縁

地韋の周縁を覆う韋を小縁(こべり)と呼びます。各時代によって赤韋・五星赤韋・菖蒲韋・爪菖蒲韋・藍韋と呼ぶ韋が用いられました。

(1)赤韋(あかがわ)

赤い染料で漬染めあるいは引染めした韋を赤韋と呼びます。平安、鎌倉期の小縁にみられます。

(2)五星赤韋(ごせいあかがわ)

五曜文を連続して白く染め抜いた赤韋を五星赤韋と呼びます。鎌倉期から室町後期の小縁にみられます。

(3)菖蒲韋(しょうぶかわ)

菖蒲の模様を白く染め抜いた藍韋を菖蒲韋と呼びます。室町後期以降の小縁にみられます。

(4)爪菖蒲韋

爪のかたちの菖蒲模様を白く染め抜いた藍韋を爪菖蒲韋と呼びます。室町後期以降の小縁にみられます。

(5)藍韋(あいかわ)

藍で漬染めあるいは引染めした紺色の韋を藍韋と呼びます。室町末期以降の小縁にみられます。

3.伏組

地韋と小縁を各種の色糸を交互に用いて縫い付ける装飾を伏組(ふせぐみ)と呼びます。その手法により本伏と蛇腹伏と呼ぶものに分かれます。

(1)本伏(ほんぶせ)

蛇腹伏に対して差縫が行なわれた正式な伏組を本伏と呼びます。色糸の数や配色によって各時代の特徴がみられます。平安、鎌倉期には紺、浅葱、白の三色ですが室町期には紅、萌黄、紫を加えて六色になります。

(2)蛇腹伏(じゃばらぶせ)

本伏に見立てて二本の色糸を交ぜた捻糸を「V」を連続するように並べて縫う手法を蛇腹伏と呼びます。

4.各部の革所

 兜の革所に内張・浮張・吹返があります。胴の革所に綿噛・弦走韋・蝙蝠付・胴裏があります。袖の革所に矢摺革・籠手摺革があります。

(1)内張・浮張・吹返の包革
1)内張(うちばり)

兜鉢の裏に直に張った韋を内張と呼びます。平安・鎌倉期に行われ、後に兜鉢の拡大と共に間にクッションとなる緩衝材を入れるようになります。

2)浮張(うけばり)

兜鉢を頭から浮かせるようにを張った韋や布帛を浮張と呼びます。室町中期頃にはじめられ、当初は絵韋でしたが、後に薫韋や洗韋等の無地韋になります。安土桃山期以降には無地韋で縁をとった白・浅葱・紺等の麻布に百重刺(ももえざし)を行ったものが用いられます。江戸期には絵韋で縁をとった赤縮緬が用いられます。

3)吹返の包革(ふきかえしのつつみがわ)

吹返の包革には他の部分に沿う絵韋がみられます。弓の弦が引っ掛かるのを防ぐ目的ではじめられたといわれています。当初は小縁に赤韋を通して結び付けましたが、後に小鋲を用いて付けるようになります。

(2)綿噛・弦走韋・蝙蝠付韋・胴裏の包革
1)綿噛(わたがみ)

肩にあたる部分を綿噛(肩上とも書く)と呼びます。当初、表面には他の部分に沿う図柄の絵韋が用いられ、裏に革を幾層にも重ねて作られています。やがてクッションとなる緩衝材を入れるようになり、黒や栗色に塗った馬革で包んで作る蔓綿噛(つるわだかみ)が用いられます。安土桃山期以降には表面に鉄板を入れた鉄綿噛(てつわだかみ)が用いられ、漆で塗り固めて作るようになります。

2)弦走韋(つるばしりがわ)

大鎧の胴の正面を包む韋を弦走韋と呼びます。他の部分に沿う図柄の絵韋がみられます。弓の弦が小札頭に引っ掛かるのを防ぐ目的(弦が走るという意)からはじめられたといわれています。当初は小縁に赤韋を通して結び付けましたが、後に小鋲を用いて付けるようになります。

3)蝙蝠付韋(こうもりづけがわ)

大鎧の左右の草摺を吊る韋・喉輪、曲輪の下げ(さげ)を吊る韋を蝙蝠付韋と呼びます。表面には他の部分に沿う図柄の絵韋がみられ、左右に小縁がみられます。

4)胴裏の包革(どううらのつつみがわ)

胴裏の包革は鎌倉末期にはじめられたといわれています。当初は各段の小札板を一段ずつ黒や栗色に塗った馬革で包みます。江戸期には裏一面を一枚の黒や金箔押の馬革で包むようになります。

(3)矢摺革・籠手摺革
1)矢摺韋(やずりのがわ)

馬手(右)の大袖の裏後部にみられる縦に細長い韋を矢摺韋と呼びます。箙(えびら)に刺した矢が小札板の間に入り込むのを防ぐためにはじめられたといわれています。

2)籠手摺革(こてずりのがわ)

広袖や壷袖の裏中央にみられる縦に長い韋を籠手摺韋と呼びます。籠手の鎖や座盤から小札を保護するためにはじめられたといわれています。

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