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甲冑の基礎知識

■甲冑の構成要素

1.小札 2.金具廻り 3.金物 4.革所 5.威毛

2.金具廻り(かなぐまわり)

甲冑の力になる主要金具部分の総称して金具廻(かなぐまわり)と呼びます。札頭へのあたりをやわらげると共に、緒や綰をとる重要な部分です。金具廻と小札板の接続部分となる足には棚造・平造があります。主な金具廻は眉庇・胸板・脇板・押付板・冠板等があります。また大鎧にみられる金具廻に鳩尾板・障子板・壷板等があり、胴丸(一部の当世具足)にみられる金具廻に杏葉があります。

1.棚造・平造

金具廻を小札板との接合部分を足と呼びます。足は、用途に応じた形状から棚造・平造に別れます。棚造の金具廻には切欠式と呼ぶ形式のものがあります。

(1)棚造(たなづくり)

棚状に折り曲げて作られた足を棚造と呼びます。大鎧の胸板・大袖の冠板・栴檀板の冠板等にみられます。

(2)平造(ひらづくり)

金具の形状に沿って平らに作られた足を平造と呼びます。胴丸、腹巻、当世具足の胸板・脇板・押付板等にみられます。

(3)切欠式(きりかきしき)

平安・鎌倉期の棚造の金具廻(胸板や大袖、栴檀板の冠板)には鐶を打つ場所を切り欠いて作られた足があります。これを切欠式と呼びます。

2.眉庇

兜鉢の正面に付けられた庇の金具を眉庇(まびさし)と呼びます。主に星兜・筋兜には伏眉庇・出眉庇がみられ、簡易兜(頭形・桃形・トッパイ形等)には眉形眉庇・棚眉庇・天草眉庇・卸眉庇がみられます。

(1)伏眉庇・出眉庇
1)伏眉庇(ふせまびさし)

中央に膨らみを持たせ、兜鉢に対して平行に取り付けた眉庇を伏眉庇と呼びます。平安期から室町期にみられ、三本の割足の笠鋲で腰巻に取り付けます。この三本の鋲を三光鋲(さんこうびょう)と呼びます。

2)出眉庇(でまびさし)

額に沿って湾曲し、兜鉢に対して垂直に突き出たかたちに取り付けた眉庇を出眉庇と呼びます。鉄足の三光鋲で腰巻にかしめて取り付けます。室町後期に関東以北で生じ、安土桃山・江戸期には全国的に流行します。

(2)眉形眉庇・棚眉庇・天草眉庇・卸眉庇
1)眉形眉庇(まゆなりまびさし)

兜鉢に対して平行に取り付け、眉のラインに沿って切り上げた眉庇を眉形眉庇と呼びます。室町後期から安土桃山期にかけての簡易兜にみられ、数個の小鋲で兜鉢と腰巻にかしめて取り付けます。

2)棚眉庇(たなまびさし)

兜鉢に対して垂直に突き出たかたちに取り付けた眉庇を棚眉庇と呼びます。安土桃山期以降の簡易兜にみられ、数個の小鋲で兜鉢と腰巻にかしめて取り付けます。

3)天草眉庇(あまくさまびさし)

大きなうねりのある棚眉庇を天草眉庇と呼びます。安土桃山期以降のトッパイ形兜にみられ、数個の小鋲で兜鉢と腰巻にかしめて取り付けます。

4)卸眉庇(おろしまびさし)

兜鉢に対してなだらかな曲線を描いたかたちの眉庇を卸眉庇と呼びます。数個の小鋲でと兜鉢と腰巻にかしめて取り付けます。江戸期の全般を通じて簡易兜や一部の星兜・筋兜にみられます。

3.胸板・脇板・押付板

(1)胸板(むないた)

前胴の最上部にある金具を胸板と呼びます。胸板はふつう一枚の鉄板で作りますが、当世具足の前割胴のみは左右に分けて作ります。また大鎧の胸板は棚造に作りますが、胴丸・腹巻・当世具足の胸板は平造に作ります。一部の古式胴丸や南九州製の胴丸・腹巻の胸板には棚造に作られたものもあります。

1)平安・鎌倉期の胸板

この時期の胸板は立挙の幅より狭く、高さも低いのが特徴です。射戦(弓矢を用いる戦闘)に応じた腕の運動を考慮したと考えられています。

2)南北朝・室町期の胸板

この時期以降の胸板は立挙の幅と同寸になります。高さも高くなり、左右に角状の突起があるのが特徴です。討物(太刀や薙刀を用いる戦闘)から胸を保護するためと考えられています。

3)安土桃山・江戸期の胸板

この時期の胸板は前代にみられた左右の角状の突起がなくなるのが特徴です。当初は上辺が一文字でしたが、首や肩口に沿った丸みが生じます。槍や鉄砲を用いる白兵戦から胸を保護するため、次第に捻返を大きくとるようになります。

(2)脇板(わきいた)

胴の脇にある金具を脇板と呼びます。腹巻・当世具足の背割胴の脇板は左右を同形に作ります。胴丸・通常の当世具足の胴は右引合のため、右側を前後に分けて作ります。

1)鎌倉・南北朝期の脇板

脇板は当初大鎧にのみみられ、射戦から左脇を保護するために付すようになったと考えられています。討物が盛んになると胴丸・腹巻の両脇にも付すようになります。脇に沿ってやや湾曲し、前後の高さが等しく角状の突起があるのが特徴です。

2)室町期の脇板

この時期の脇板は前代の形状をそのまま継承します。末期になると前後が角張り、中央を高くした「三山形」と呼ぶかたちの脇板が生じます。

3)安土桃山・江戸期の脇板

この時期の脇板は脇に沿った丸みが生じるのが特徴です。当初は前代の形状を継承しているため前後の高さが同寸でしたが、次第に後立挙に沿って後が高くなります。白兵戦から両脇を保護するため、次第に捻返を大きくとるようになります。

(3)押付板(おしつけいた)

胴丸・腹巻・当世具足の後胴の最上部にある金具を押付板と呼びます。胴丸・当世具足(背割胴を除く)の押付板は左右に連なる一枚の鉄板で作りますが、腹巻・当世具足の背割胴は左右二枚に別れています。

1)胴丸・腹巻の押付板の構造

押付板は胴丸に背溝を設ける頃(室町初期)に生じたと想像されます。当初の胴丸には押付板はありませんでした。大鎧の押付と同じく綿噛と一体に作り、その上に押付板を乗せたかたちになります。従って胴丸・腹巻は押付と押付板の二重構造に作られています。

2)当世具足の押付板の構造

原初的な当世具足には胴丸・腹巻の押付板の構造をそのまま継承したものがあります。後に綿噛を押付板から直接とるようになり、従って一重構造に作られるよになります。

4.冠板

袖・栴檀板の最上部にある金具を冠板(かむりのいた)と呼びます。冠板は大きく立冠・横冠に別れます。

(1)立冠(たてかんむり)

足を棚造・平造に作り、小札板と平行に取り付ける冠板を立冠と呼びます。大袖・栴檀板・一部の広袖等にみられます。

(2)横冠(よこかんむり)

足を垂直に折り曲げて作り、小札板と垂直に取り付ける冠板を横冠と呼びます。広袖・壷袖・当世袖等にみられます。

5.鳩尾板・障子板・壷板

(1)鳩尾板(きゅうびのいた)

大鎧の左胸を覆う金具を鳩尾板と呼びます。ふつう一枚の鉄板で作りますが、上下二枚を蝶番で繋いで作られたものもあります。射戦から射向にあたる左胸を保護するために付したといわれています。栴檀板と同じく高紐に結んで取り付けます。

(2)障子板(しょうじいた)

大鎧の左右の綿噛に垂直に取り付けられた金具を障子板と呼びます。射戦から首を保護するために付したといわれています。綿噛の中央に割鋲で取り付けます。

(3)壷板(つぼいた)

脇楯の上部にある金具を壷板と呼びます。当初は上下同寸あるいは裾広に作り、中央に縦二つの穴をあけて壷の緒の茱萸を取り付けました。鎌倉期以降は体への密着を図って裾細に作り、中央に三角形状に三つの穴をあけて緒をとるようになります。

6.杏葉

手のひら大の木葉状の金具を杏葉(ぎょうよう)と呼びます。ふつう一枚の鉄板で作りますが、上下二枚を蝶番で繋いで作られたものもあります。元来は袖の代用として肩先に付しますが、後に胸の隙間を覆うために付すようなります。

7.金具付

金具廻と小札板の接続を金具付(かなぐづけ)と呼びます。金具付の手法には革吊・緘付・威付・蝙蝠付と呼ぶものがあります。

(1)革吊(かわつり)

小札板の毛喰の撓から韋をとり、棚造の金具廻にある棚穴(たなあな)に通して、吊るように縛って取り付ける手法を革吊と呼びます。平安・鎌倉期にみられます。

(2)緘付(からみづけ)

平造の金具廻の足に小札板の緘の穴を重ね合わせて革や糸で綴じ付ける手法を緘付と呼びます。緘付の手法には花緘・縄目緘と呼ぶものがあります。

1)花緘(はながらみ)

平造の金具廻の足に二列あるいは一列(要所のみ二列)の小穴をあけて、小札板の緘の穴を重ね合わせて革や糸で菱に綴じ付ける手法を花緘と呼びます。ふつう胴丸・腹巻にみられます。

2)縄目緘(なわめがらみ)

平造の金具廻の足に二列の小穴をあけて、小札板の緘の穴を重ね合わせて革や糸で縄目に綴じ付ける手法を縄目緘と呼びます。南北朝、室町期に稀にみられます。

(3)威付(おどしつけ)

平造の金具廻の足に一列の小穴をあけて、直接小札板を威し下げる手法を威付と呼びます。当世具足の胸板・脇板の場合は、足に上下に間をあけて小穴をあけ、下の一行に小札板を重ね合わせて韋で綴じ付け、上の一行と威し付けます。

(4)蝙蝠付(こうもりづけ)

小札板に綴じ付けた韋や布帛を金具廻に重ね合わせて、韋や糸で綴じて取り付ける手法を蝙蝠付と呼びます。蝙蝠のように何処にでも簡単に吊り下げることができるという意味から生じた語といわれています。喉輪・曲輪の須賀や大鎧の左右の草摺等にみられます。また当世具足の揺にもみられます。

8.金具廻の化粧と装飾

基本的に金具廻は化粧と保護の目的から裏表とも韋で包みます。同様の目的から様々な色の漆を塗って仕上げたものや金箔・銀箔を押して仕上げたものもあります。装飾として様々な紋や模様の蒔絵を施したものもあります。

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